「葬儀の準備をしているが、なぜ高いお金を払って戒名をつけなければならないのか?」
「本名のまま葬儀を行ったり、お墓に入ったりすることはできないのだろうか?」
当センターにも、このようなご相談が数多く寄せられます 。
特定の宗派や寺院にとらわれないNPO法人の立場から、戒名の本来の意味と、「俗名のまま葬儀・納骨をしたい」と考えたときの注意点や現実的な選択肢について分かりやすく解説します 。
1. そもそも「戒名(かいみょう)」とは?
戒名とは、「仏様の世界へと旅立ち、仏弟子(仏教徒)となった証として授かる名前」のことです 。
本来は、生前に出家したり、仏門に入って仏教の戒律(ルール)を守ることを誓ったりした人に対して与えられる名前でした 。しかし現代の日本では、亡くなった後に葬儀の場で僧侶から授かるケースが一般的になっています。
歩みの証: 生前の功績や人柄、生き様を漢字に込めて表すもの
浄土への道標: 迷うことなく仏様の世界へ導かれるための名前
宗派による呼び方の違い: 浄土真宗では「法名(ほうみょう)」、日蓮宗では「法号(ほうごう)」と呼びますが、意味合いとしては同様に扱われることが多くあります。
2. なぜ葬儀や法要で「戒名」が求められるのか?
無宗教化が進む現代でも、多くの場合に戒名が求められるのには、主に以下の3つの理由があります 。
① 仏教儀式(お経・供養)におけるルールだから
仏教式の葬儀は、「故人を仏弟子としてお見送りし、浄土へ導くための儀式」です。そのため、儀式を執り行う僧侶は、俗名(本名)ではなく仏弟子としての名前である「戒名」を読み上げて供養を行います。

② 菩提寺(お寺)の墓地に納骨するため
代々のお墓が特定のお寺の境内(寺院墓地)にある場合、そのお寺の教えに従って供養されることが条件となります。「お寺の墓地=仏弟子のための安住の地」という考え方が根底にあるため、戒名がないと納骨を断られるケースが少なくありません 。
③ 先祖代々の位牌や過去帳とのバランス
仏壇にある先祖代々の位牌や過去帳に戒名が並んでいる場合、「特定の故人だけ俗名だと違和感がある」「先祖と同じように供養してあげたい」という親族の意向によって戒名をつけることが求められる場合もあります。
3. 「俗名(本名)」のまま葬儀・納骨はできる?
結論から申し上げますと、法的なルールとしては、俗名のまま葬儀を行ったり納骨したりすることに何の禁止規定もありません。
しかし、現実的に「お寺との関係」や「供養の場所」によって、できる・できないが大きく分かれます 。
俗名での葬儀・納骨の可否まとめ
| 状況・場所 | 俗名のままでの可否 | 主な注意点・特徴 |
| 公営霊園・民営霊園 | 可能(問題なし) | 宗教不問の区画であれば、俗名のまま彫刻・納骨が可能 |
| 無宗教葬・直葬・散骨 | 可能(問題なし) | 仏教儀式を伴わないため、そもそも戒名が不要 |
| 菩提寺(お寺の墓地) | 原則不可(要相談) | 寺院の管理規則や宗教上の理由から拒否される場合が多い |
| 樹木葬・永代供養墓 | 施設による | 「宗教不問」と謳う施設は俗名可能。寺院境内墓地は要確認 |
4. 俗名のままで進める際の注意点と現実的な選択肢
もし「俗名のままで見送りたい」「費用的な理由で戒名をつけられない」とお考えの場合は、トラブルを防ぐために以下のポイントを確認しておきましょう 。
注意点:菩提寺(お寺)へ事前の相談なしに進めない
最も多いトラブルが、「葬儀を俗名で行い、後日菩提寺のお墓に納骨しようとしたら断られた」というケースです 。
菩提寺がある場合は、必ず葬儀の前にお寺へご相談ください。 お寺によっては「お布施の減額」に応じてくれたり、理由を説明することで理解を得られたりすることもあります 。
現実的な3つの選択肢
お寺に事情を打ち明け、身の丈に合った戒名を授かる
お布施の経済的負担が不安な場合は、一人で悩まずに「費用面で無理ができない」という率直な事情をお寺に伝えましょう 。基本ランク(信士・信女など)であれば、負担を抑えて授かることも可能です 。
宗教不問の霊園・永代供養墓・樹木葬へ変更する
どうしても俗名のまま納骨したい場合は、菩提寺から離れて(お墓を整理して)、宗教・宗派を問わない公営霊園や民営の永代供養墓などを選ぶのが最も確実な選択肢です 。
第三者の中立な相談窓口(NPO法人など)に相談する
お寺とのやり取りや親族間での意見の食い違いが生じた場合、当事者だけで解決するのは困難です。公正な立場であるNPO法人や行政書士・弁護士などの窓口を介して、ご家族にとって最善の形を整理することをおすすめします 。
5. まとめ・お悩みの方はまずご相談ください
戒名は本来、仏様とのご縁を結ぶありがたいものである一方、現代においては費用や寺院との付き合い方をめぐる疑問の原因にもなっています 。
「お寺にどうやって相談すればいいか分からない」
「高い戒名料を提示されて困っている」
「菩提寺ともめずに納骨する方法を知りたい」
NPO法人かけこみ相談センターでは、宗派や特定の寺院に関係なく、公益的な視点から仏事のお悩み相談を受付けています 。
ご家族だけで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください 。
