![りん](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/rin.jpg)
Name: 巡礼者
Date: 2008/03/04(火) 20:26 No:317 お寺ネット仏事相談より
りんは内側からたたくのか?外側からたたくのか?
![仏事相談の相談者](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/gakusei.jpg)
相談と言える程のことではありませんが、りんの鳴らし方に作法はあるのでしょうか?
りん棒で叩く時なのですが、りんの内側から叩くのか、外側から叩くのか、決まりごとのようなものはあるのでしょうか?
一般的には、外から打ちます。
![仏事相談の回答者](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/03/jin0291.gif)
手元りんの慣らし方の決まり事というよりも、宗派によって打ち方があるようです。
法要の際の僧侶の手元をよく見ているとわかります。
一般的には外側から叩いています。
こちらの打ち方のほうが読経中にりんを打ちやすいです。
私どもでは外打ちをご指導しています。
一僧侶様、ありがとうございます。
いつも何気に外側から叩いていましたが、ある禅宗のお坊様が、内から鳴らしていましたので、ふと考えてしまいました。
特にどちらからじゃないと良くないという事はないのですね。ありがとうございました。
りんは、遥か霊山の仏様の所に思いを届ける
![仏事相談の回答者](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/03/jin0291.gif)
りんは、鐘の小さいバージョンです。
余韻のある綺麗な音が響き、その余韻が遥か霊山の仏様の所に、思いが届くように願いを込めて丁寧に打つことが大切です。
りんは小さくて叩き難いので自分の打ち方でよいのです。
必ず数珠を手にして 灯明を照らし 香を薫いてから りんを打ちましょう。
仏様との対話ですので。合掌
ーわかりました。御丁寧に教えて下さりありがとうございました。
相談員からの豆知識
![仏壇前の前机とりん](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/butudan.jpg)
梵音具(ぼんおんぐ)といわれる仏具の事で、宗派や和尚さんによって
「鐘(かね)」とか「リン」とか「おりん」と呼ばれています。
子供のころは「チーン」しておいでといわれ、「チーン」だと読んでいる方もあるようです。
仏壇には欠かせない、前机に置かれた「りん」ですが、
いつ?鳴らせばいいのか?
何回?鳴らせばいいのか?
鳴らす意味は?何なのか?
そして、今回のように、外から叩けばいいのか?内側から叩けばいいのか?
単純で素朴な疑問にお答えします。
そもそも、なぜ?りんを鳴らすようになったのか?
上記回答にもありましたが、りんは、大きな鐘を縮小したものです。
お寺に行くと大きな鐘がございますね。よく除夜の鐘で突くものです。
除夜の鐘を突くのは何の為でしょうか?
鐘を突くことで、108の煩悩を消していくと言われますね。
もっとも、今のように腕時計や携帯電話御持たない時代、時計すらなかった2000年以上前の話です
太陽の方角によって時間が考えられていました。その時を知らせる方法としての「鐘」でありました。
僧侶や村人に時を知らせるために、鐘をつき、朝の始まり、夕方の終わりを伝えていました。
仏事が、先祖供養に代わっていく中で、祖先が遠く遥か先祖のいる場所に、子孫が来ましたよ!
今から、お経を唱え、ご供養しますよ!という「法要」を知らせる鐘であったと存じます
読経の始まりと終了の合図や、お経の内容がかわる合図に鐘が叩かれます。
読経の始まりと終わりの合図の他に、読経の途中でリズムを整えることにも使われます。
お坊さんが読む「経本」には、ここで鐘をたたく 2回たたく など記されている場合があります
「二丁」と書かれている場合は、2回の鐘を打つ印です
また、●印の記号の場合もあります
録音機能などがない時代、お経を大勢の方が読み上げ、全国に広まっていくわけですから、みんなが揃って唱えられるように、合図としての意味がありました
平家物語にも鐘が出てきます
![源平の合戦](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/heike.jpg)
「平家物語」
“祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。”
にも「鐘」が出てきますね。
「諸行無常(しょぎょうむじょう)」も「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」も仏教の言葉で、
「諸行無常」とはこの世のすべてのことは常がなく、続かないこといいます。
「盛者必衰」はどんな者も必ず衰えることをいいますね。
これは仏教の真理であり、世の常の出来事であることをさしています。そして
沙羅双樹とはお釈迦さまがお亡くなるとき、沙羅の樹が臥床の四方に二本あったことから、佛の悟りを開かれたお釈迦さまでも亡くなるときがくるという「盛者必衰」を表しています。
祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の「精舎」とは寺のことですから、今日の言葉で言えば「祇園寺」や「祇園院」と言えばいいでしょうか、そのお寺でお釈迦様がご説法をなされた寺のことです。
この「祇園精舎」の一角に無常堂(無常院)があり、祇園精舎で終末期を迎えた僧たちが、最後のひとときを過ごす場所であり病院的なところでありました。
臨終を迎えると、建物の四隅に配されていた鐘が鳴ります。
鐘の音は、命が一つ消えたことを示している世の無常を感じさせます。
天台宗の伝教大師最澄も臨終の時には、鐘の音が鳴らされたとされています。
鐘の音は、人の命が消えていき、そして浄土に旅立って行くために、チーーーーンと長く余韻が残る鐘の音が、あたかも遠い先祖に届くように感じて来るのではないでしょうか?
仏壇は、お寺の縮小版
話がそれたついでに、仏壇についてもお話ししておきます
![仏壇に祈る](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/butudan2-939x1024.jpg)
我が家に仏壇がないという家庭が多くなってきました。
「我が家には死人が出ていないから仏壇は必要ない」という方もあります。
それは大きな間違いです。仏壇は、お寺の縮小版であり、お寺にお参りに行く代りに、自宅でお参りするもです。
市役所でいうと、いわば出張所のようなものです。
自宅で本尊(仏像)に祈り、感謝する場所であり、先祖の位牌は、そばに置かせていただいているものです。
ですから、先祖の為の仏壇ではなく、仏壇のそばにちょこっと先祖を置かせていただいているのです。
鐘の鳴らし方について
ご家庭の仏壇の鐘の良い音がする鳴らし方は、リン棒の持ち手を上にして持ち、あまり力を入れず、鐘の口の縁の部分より少し下の部分を叩きます。
![りんの鳴らし方](https://kakekomi.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/rin2.jpg)
りん棒は、上から持っても下から持ってもどちらでも構いません。
仏壇の高い棚にある場合は、下から持ち、下から上にあげるように打つのがコツです。
残響が長く、透き通った綺麗な音が鳴り響いてきます。
また、胸よりも下にりんがある場合は、上からりん棒を持ち、振り子のようにして鳴らします
この時も、振りぬくような優しい叩き方をすると、きれいな音が響いていきます。
鐘の外側から叩くのがおすすめです。それが、普通の叩き方です。
中には、内側をたたく僧侶の方もおられます。
実は、この方が、鐘の音はこだまして広がっていきます。一度叩き比べてみて下さい。
音の波動が、均等に広がり、ふわっとした感じに包まれます。
しかしながら、叩き方が悪いと、何だかぎこちない音になるので注意が必要です。
りんを鳴らす回数について
冒頭お話ししましたように、僧侶が法要を行う場合、宗派によって叩く回数が決められている場合があります。
もちろん、宗派によって意味があって回数が決められています。
例えば、3回鳴らすのは、「仏・法・僧」の三宝の為だとか、6回鳴らすのは、六道輪廻の解脱だとか・・・
私の教わった師匠は、法要の始まりは、2回 途中お経の変わり目で1回 最後法要の終わりで3回と教えられました(天台宗系単立)
この事で、法要に参加していない方々にも「お経が始まったな。」「まだお経が続くな。」「そろそろ法要が終わりだな」
という事がわかるため、法要後にお茶を出したり準備が出来ます。
りんを鳴らすのも意味をもって打ちましょう
りんの回数にこだわるあまり、心が散漫になっては、残念ですね。
1回でも2回でも3回でも良いでしょう。
気のすむまで鳴らされても、仏様は怒ったりしません(近所の方は別ですが。笑)
もし、ご先祖の供養をされるのであれば、1回目は、御仏のために心を届ける 2回目は、ご先祖のために心を届ける
1回目は
「仏様、私は、今から仏法にふれる機会をいただきました。こうして、仏様の教えを聞き、教えを守り、仏道を歩んでまいります」
2回目は
「こうして生かされているのは、ご先祖様のおかげです。ご先祖のご恩を忘れず、感謝して人生を歩んでまいります」
という思いで、2回たたかれて、「合掌・祈念」出来れば読経されるのが良いと存じます。
そして、お経が変わるとき、1回のりんをたたきましょう。次のお経に参りますと新たな心で挑みましょう。
最後に、仏・法・僧の三宝に帰依し、仏道精進を誓い、3回のりんをたたきます。
※なを、法事などでたくさんの参列者がいる場合について
その場合は、すべての気持ちを一つにして1回のりんをたたくのが良いでしょう。